靴からくつしたへ(伴光太さん)

靴の中で脱げにくいくつしたはどれかな。靴とくつしたのバランスの良いコーディネートを考えよう。
同じ「足」に履くものだから、靴とくつしたは切っても切れない関係がある。
過去の靴を作る経験を活かして、今、くつしたと向き合う人がいた。

株式会社ナイガイ CS部 商品課
伴光太さん

「くつしたの作り方を最初に教えてもらった時、「伸びる」ということが衝撃でした。靴は、木型に合わせてぴったり作るものなのに、くつしたは伸縮性を活かして編み立てる。同じ足に履かせるものなのに、逆の発想で作られる。当たり前なんですけど、改めてそのことに驚きがありましたね。」

伴さんはナイガイに入社する前の約10年間、靴づくりを経験してきた。
さらに遡る学生時代、当時流行していた漫画の影響もあり、バスケットボール部に所属していた。そこでスニーカーのカッコ良さに魅了され様々なコレクションを収集するまでになったのだが、その時のワクワクを忘れられず、大学卒業後に靴を作る技術を学ぶ学校へ進学。その後、靴のメーカーへ就職したそう。
レディス・メンズ、アパレルブランドのOEMや芸能人の別注など幅広い靴づくりを手がけた。なんとプライベートでは結婚の際に奥様のウェディングシューズまで作ったのだとか。
靴のプロフェッショナルとしてキャリアを順調に積んできたものの、ふと、もう少し違うことにチャレンジをしたいという衝動に駆られ、同じ足元で使われるアイテムとして「くつした」の世界に飛びこんだのだが、冒頭のようにまったく違う作り方に驚かされた。

「足ってすごく敏感な場所ですよね。靴の中にすごく小さな石が入っていてもすぐ分かります。そんな足を包み込む靴下も、肌あたりや履き心地などいろいろなポイントがある。靴よりもわかりにくくて、正解を導き出すのがとても難しいですが、だからこそ作ることも面白いのかなと思います。」

ナイガイに入社して現在は4年目。くつしたづくりのスペシャリストと呼ばれるようになるにはまだまだ知識と経験が必要ではあるが、ベテランのデザイナーや、工場の方達が相談に乗ってくれるおかげで、今は大手ライセンスブランドを担当するMDとして活躍している。穏やかで純粋な性格がすぐに感じ取れる雰囲気から、多くの人たちが彼を応援したくなるというのもわかる気がする。


インタビューを実施したのが1月ということもあり、寒さがピークである時期に伴さんが愛用しているくつしたについて尋ねてみたところ、特殊な起毛素材「もちはだ」を取り入れたくつしたを教えてくれた。
「抜群の保温力で、寒い時期でも足元が温かいです。」

以前所属していた部署で彼自身が手がけていた時期もあり、思い入れもあるくつした。休日は子どもと公園で過ごすことも多い伴さんにはぴったりの1足だ。

なかなかコロナ禍で思うように動くことができない中ではあるが、今後はどんなことを取り組んでいくのか聞いてみたところ、淡々と冷静な答えが返ってきた。
「だからこそ、履く人のライフスタイルを想像して、お客様の手に取ってもらえるような商品が作れるよう日々努力していきたいです。」

まだまだくつしたのことは勉強中。それでもまっすぐ「足」に向き合う人生を送っている。今後も視野の広さを活かしたくつしたづくりを期待したい。

株式会社ナイガイ CS部 商品課
伴光太さん

ナイガイ入社後、レディス・メンズ、ストッキング まで幅広い商品作りを経験。
社内クラブ活動でもある映画サークルの部長でもある。(残念ながら今は活動を自粛中だそう)
6歳・3歳の女の子の父親でもあり、ふとした会話の中に良き父の表情を見せてくれる。

伴さんお気に入りの1足
もちはだのルームソックス(NAIGAI STYLE)

メンズ:品番2351-049 ¥2,500(税抜)

※掲載内容は、すべて記事掲載当時の情報となります。

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