以前よく使われていた「メリヤス」という言葉は外来語である。
メリヤスの日本への伝来は、南蛮貿易時代の永禄10年(1567年)から寛永12年 (1635年)の間というのが定説となっている。
※南蛮とはポルトガル、スペインを含む南方諸国をさす
「メリヤス」の語源は、当時のポルトガル語のメイアス(MEIAS)、あるいはスペ イン語のメディアス(MEDIAS)のいずれかであろうとされる。両語とも意味は「靴下」である。
この当て字には「女利安」「女利夜須」「女利弥寿」「莫大小」などが使われてい たようで、享保4年(1719年)に出た「長崎夜話草」(西川如見)には、メリヤスに ついて次のような文章がのっている。
……「女利安」紅毛詞(こうもうことば)なるゆえに文字なく、足袋、手覆(ておお い)、綿糸または真糸にて漉きたるものなり。根本紅毛人、長崎女人におしえたり、 色ものみぞ次第なり……。
これにより、メリヤスが外国語であること、その製造技術を渡来人が召使の長崎女 性に教えていたことなどがわかる。
※紅毛人とはイギリス人、オランダ人のこと。紅毛詞とは彼らが話す言葉のこと