アイザック・ウィリアム・ラムは、マシュー・タウンゼントが発明した「べら針」を採用することで、ひげ針で必要であったプレスとドローを除くことに成功した。
カムとヤーンガイドを内蔵するキャリッジを付けることにより、針が独立的に制御されるようになり、プレーンステッチだけでなく、リブステッチ、タックステッチまでも可能になった。しかも、この編機は、家庭でもストッキングや衣服が編めるほど操作が簡単であった。まさに、ニット産業の新しい時代を切り開く画期的な横編機の開発であったと言える。
ロンドンの大英博物館には、ラムが直接製作を指導したと伝えられる横編機が保管されている。その編機には「ラム編機製作会社、チコビー・フォールズ、マサチューセッツ、特許 1863年9月、1865年10月10日」と付記されている。
初期のカム装置
初期の針床
(参考資料 江尻久治郎著 横編技術入門)