ユニークなソックスを紹介

おもしろ靴下2

ガーター付き靴下(昭和5年頃)

●編機:リブ編機
●使用素材:カシミヤ100%

靴下にゴム糸を入れる技術がない時代には、写真のようなガーターで口ゴム部をはさみ、靴下がズリ落ちないように吊っていました。
靴下にゴムを入れる技術が完成するのは昭和23年。当社が開発に成功しました。その影響でガーター付き靴下は急激に少なくなりましたが、このクラシカルなスタイルの愛好者は現在でもいらっしゃるようで、実際に販売もされています。

※ガーターとは
イギリスのガーター騎士団が身につける服装装身具の総称で、左足のひざ下に付ける留め具、マント、首飾り、星章等がある。

ふくらはぎ部をカットした靴下 (昭和7年頃)

●編機:K式機
●使用素材:綿糸100%

こちらも靴下にゴム糸を入れる技術がない時代の商品です。ガーターで吊るかわりに、ふくらはぎ部を丸くカットして、その曲線を利用してズリ落ちないように工夫されています。ガーター装着の手間がかからない、まさにアイディア靴下と言えます。マージーソックスなどの名称で販売されていました。

特殊メッシュのハイソックス (昭和42年頃)

●編機:CIC機 240本(カラー・イン・カラー機)
●使用素材:ウーリーナイロン100%

柄用のボス糸を36本使用し、1本のボス糸をそれぞれ6~7本の針にからませて作った靴下です。途中で地糸を編み込むことで、大きなメッシュ目となっています。現在でも作るのが難しい特殊製法の靴下です。

つま先、かかと部メッシュ靴下 (昭和31年頃)

●編機:改造バンナー機 180本
●使用素材:ウーリーナイロン100%

靴下用素材としてナイロンが広く使用されはじめたころの商品です。ナイロンは吸湿性が悪く、水虫になりやすいとの消費者の声を受けて開発されました。
理論的には作れることが判っても、つま先とかかとは編機の往復運動と針の増減によって編成されるため、編機の改造には大変な苦労があったようです。昭和33年に実用新案、意匠登録されました。コンピューター時代の今日でも、製造が困難なユニークな靴下です。
所蔵品紹介
水戸光圀・ジャイアント馬場・川端康成の靴下を紹介
大正13年から昭和4年
昭和5年から昭和7年
昭和8年から昭和10年
昭和11年から昭和12年
古書にみるストッキング
ユニークなソックスを紹介
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靴下の歴史
靴下作りの技術はいつ
どこで発祥したのか
イギリスを中心としたメリヤス業の発展
多様な編機の発明の背景
メリヤスという言葉はいつ日本に伝わったのか